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性 能
理想の空燃比を検知するNTK O2センサ
排出ガス中の有害物質(HC、CO、NOx)を削減するためには高度な制御が必要ですが、O2センサは排出ガスに含まれる酸素濃度を検知し、ECU※1にフィードバックする重要な働きをしています。
NTK O2センサは燃料と空気の混合比(空燃比)が最適な理論空燃比「λ(ラムダ)=1※2」となるように、排出ガス中の酸素濃度を検知し、ECUにフィードバックします。ECUはO2センサからの信号により理論空燃比に対して燃料が濃い(リッチ)場合は燃料を薄く、薄い(リーン)場合は燃料を濃くすることにより、排出ガス中の有害物質を最も浄化する理論空燃比付近での制御を行います。このようにNTK O2センサは排出ガス中の有害物質を削減する上で、重要な部品となっています。
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※1 ECU:エンジン・コントロール・ユニット
※2 λ=1:空燃比(A/F)=約14.7
※3 ウィンドウ:排出ガスが最も浄化される目標値。三元触媒が一番効率よく機能し、負担も少なく劣化も防止できる。
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注:エンジンのイラストはイメージです。
※三元触媒:排出ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の酸化と窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行い、無害な二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、窒素(N2)に浄化する役割を持っています。理論空燃比「λ=1」付近で最も有効に働きます。(【図1】ウィンドウの部分)
交換の必要性
O2センサは過酷な環境で働いています
O2センサは600℃を超える排出ガスに常にさらされ、燃焼生成物が付着する、とても厳しい環境で働いています。
劣化したり破損したO2センサを使用していると、数々の不具合が生じる可能性があります。
~ O2センサチェック時期の目安~
新車から5年以上または8万km以上※
※お車の使用状況により異なります。
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クルマの運転状態によってO2センサは劣化したり、故障する可能性があります。
センサの交換を必要とする例
取り扱いの注意
O2センサは車種やエンジン毎に専用タイプが設定されていますので、他のタイプへの互換性はありません。
- ① 点検・交換・調整は必ずエンジンを止めて行ってください。
- ② 各自動車メーカーのサービスマニュアルに従い、点検・交換を行ってください。
- ③ 本書に記載されている正しい品番のO2センサをお使いください。
- ④ 改造車等に使用しますと正常に機能しない場合があります。
- ⑤ 落下させたり、衝撃を与えると内部のセラミック素子が割れる恐れがありますので、ご注意ください。
- ⑥ センサのネジ部分には、焼き付き防止剤を塗布しております。ゴミ等の付着防止のため、
保護キャップはセンサを取り付ける直前に外してください。 - ⑦ 焼き付き防止剤は拭き取らないでください。
- ⑧ 焼き付き防止剤が手などに付着した場合は、すぐに水などで洗い流してください。
- ➈ 本体に固定されているリード線をねじったり、曲げたりしないでください。
- ➉ センサを取り付ける際、インパクトレンチは使用しないでください。
- ⑪ センサの取り付けは、指先でねじ込み、レンチを使って、次の締付けトルクを目安に締め付けてください。
【「LZA」「OZA」「OZR」「UAR」から始まる品番】:
ネジ径18mm・ピッチ1.5mm・Hex22mmのセンサ=約45~55N・m(4.5~5.5kgf・m) - ⑫ リード線やコネクタを排気マニホールドやその他の高温な部分に触れさせないでください。
- ⑬ リード線は、オリジナル同様に配線して、コネクタをしっかり取り付けてください。
- ⑭ お車の状態により、O2センサの交換だけでは不具合が改善されない場合があります。
- ⑮ MILが点灯したときはセンサ交換前(または交換後)に、サービスマニュアル等に従い、
必ずダイアグ(自己診断/OBD)のエラーコードを消去(リセット)してください。
エラーコードの消去を行わないと、MILが消灯しない等のトラブルにつながる可能性があります。
O2センサPコードエラー表示について
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サービスマニュアル等に従い、ダイアグ(自己診断/OBD)のエラーコードを消去(リセット)する必要があります。
MIL点灯(整備入庫)
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故障診断機(コードリーダー・スキャンツール等)による診断(エラーコード読み取り)
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センサのエラーコード表示を確認
※センサ以外の故障、または複数表示の場合もあります。
故障診断機/スキャンツール例
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故障診断機/スキャンツール例
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故障したセンサの交換
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故障診断機によりエラーコード消去
※必ず消去を行ってください。
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試運転(MIL消灯確認)
※再点灯の場合は、再度「2」へ
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整備完了
※上記はエラーコード消去作業の一例です。実際の作業は、必ず各自動車メーカーのサービスマニュアル等に従ってください。
診断機でのエラーコード一覧
センサ異常項目 | Pコード | 同じコードまたは、同じセンサ異常項目のコードが再点灯する場合 車両側への影響で同じ現象が起きる場合に考えられる別要因 |
車両側への影響 |
---|---|---|---|
雰囲気はストイキ~ リッチ出力異常 (出力高いまま) |
P0130, P0132, P0138, P0152, P0158, P0172, P0175 |
・ インジェクタ異常 ・ 燃圧異常 ・ エアフローメータ出力異常 ・ EGRバルブ異常 ・ ECU空燃比補正異常 ・ 出力信号系統(車両側ハーネスやECU)の抵抗上昇・断線 |
アイドル不安定 エンジンストール 失火 エミッション悪化 |
雰囲気はストイキ~ リーン出力異常 (出力低いまま) |
P0130, P0131, P0137, P0151, P0157, P0171, P0174 |
・ インジェクタ異常 ・ 燃圧異常 ・ エアフローメータ出力異常 ・ EGRバルブ異常 ・ ECU空燃比補正異常 ・ 吸排気系統からの漏れまたは吸い込み ・ 出力信号系統(車両側ハーネスやECU)の抵抗上昇・断線 |
アイドル不安定 エンジンストール(プラグ被り) 燃費悪化 エミッション悪化 |
応答性不良 (応答遅い) |
P0133, P0139, P0153, P0159 |
・ インジェクタ異常 ・ 燃圧異常 ・ EGRバルブ異常 ・ 吸排気系統からの漏れまたは吸い込み ・ 出力信号系統(車両側ハーネスやECU)の抵抗上昇 |
エミッション悪化 加速時息継ぎ |
ヒータ電流異常 (電流低い) |
P0135, P0141, P0155, P0161, P0031, P0037, P0051, P0057 |
・ ヒータ系統(車両側ハーネスやECU)の抵抗上昇・断線 ・ ECU内ヒータ駆動回路異常 |
アイドル不安定 燃費悪化 エミッション悪化 加速時息継ぎ |
ヒータ電流異常 (電流高い) |
P0032, P0038, P0052, P0058 |
・ ヒータ系統(車両側ハーネスやECU)の絶縁低下・ショート ・ ECU内ヒータ駆動回路異常 |
ECU又はヒューズ破壊 |
診断機でO2センサエラーと表示されていても、それ以外の不調でエラーが表示される場合があります。
O2センサ交換と同じく他部品の点検もお願いいたします。
特長・構造
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ジルコニア素子は300℃を超える温度下で酸素濃度の差によって起電力が発生する特性を持っています。この特性を利用して、素子の内側と外側(大気と排出ガス)の酸素濃度差を検知し、理論空燃比に対して燃料が濃い(リッチ)、薄い(リーン)かをECUにフィードバックするのがジルコニアタイプセンサの特徴です。

全領域空燃比センサは、理論空燃比に対して、どの程度リッチもしくはリーンであるかを検知できます。したがって、ジルコニアO2センサよりも精密なエンジン制御が可能となります。また、リーンバーン制御等の理論空燃比(λ=1)以外でのエンジン制御も可能になります。また、従来の全領域空燃比センサの特性をそのままに耐熱性・耐久性を向上させ、素子とヒータのー体構造により、早期活性(エンジンキーON後、5秒以内に作動開始)を実現した早期活性型全領域空燃比センサもあります。
